3ae89611.jpgチョコレートのスフレ



 日本から最近、ベルギーに赴任してきた某企業の社員が、「スーパーに買い物に行ったら、砂糖を見つけることができなかった」と言っていました。実は私自身も約18年前、東京からフランスに引っ越してきて、スーパーで砂糖を探したことを覚えています。

 幸い、私の場合は、コーヒーや紅茶、ケーキの素材売り場で砂糖を発見することができましたが、帰宅して、フランス人の妻に「砂糖を料理に使うのは日本人くらいよ」と笑われました。無論、日本以外にも砂糖を調理に使う国はありますが、言われるまで気付きませんでした。

 フランス人を初め、イタリア人、ドイツ人、英国人など、ヨーロッパ人は食後に必ず、甘いものを食べます。妻曰く、「甘いものを食べなければ、食事が終わった気がしない」ということです。無論、その影響で、今では私も甘いものなしに食事を終われなくなりました。

 食文化というのは、非常に深いものがあるもので、長い歴史の中で人間は本能的に栄養のバランス取って元気に長生きできるようにしてきたのでしょう。ヨーロッパでは食事で砂糖を使わず、糖分を十分に摂れない分、しっかり食後に甘いものや果物で糖分を補給しています。食文化は人間の知恵で満たされているということでしょう。

 でも逆に、食後のデザートが習慣化した状態で日本食を食べると、一挙に太ってしまいます。なぜなら、料理に砂糖が使われているからです。中にはヨーロッパの駐在期間、自宅でも外食でも日本食ばかり食べ、さらに現地のデザートがおいしいので、それも食べて体調を崩すケースもあります。

 国際的に動くということは、余程、注意深く、食生活を管理する必要があります。事実、老後までヨーロッパで過ごす日本人の寿命は、日本国内より短いと言われています。ヨーロッパの食生活にあった体質に変えるには、一代では難しいと医者も言っていました。