4月に妻の郷里の仏西部ブルターニュの田舎を訪れた時、風力発電の白い羽が回っている新しい風景に驚かされました。聞けば、ブルターニュはフランスでは、3番目に風力発電の普及が進んでいるようで、原発依存からの脱却に少しずつ動いているようにも見えます。

 今年1、サルコジ大統領により、洋上風力発電設備600基を建設するプロジェクトの入札が公表されました。オート・ノルマンディー地域圏などの大西洋沿岸地域の5ヶ所に洋上風力発電所が設置するプロジェクトで、総額約100
億ユーロが投じられるとしています。

 洋上風力発電は、陸上における健康被害や設置場所確保での地域住民や自治体との交渉の困難さなどへの代替案でもあるわけですが、その一方で反対運動も起きています。そのひとつは観光地などの景観を損なうという問題で、2年前には世界遺産のモンサンミッシェル付近の風力発電プロジェクトに大きな反対運動が起きました。

 東日本大震災に伴う福島原発事故以降、サルコジ大統領は、フランスの原子力政策に変更がないことを表明していますが、依存度を下げていく方向は時代の成り行きとして否定していません。そのひとつがフランスの電力業界が風力発電にも投資をする動きが出ているからです。

 仏原子力公社のアレバと仏電力会社GDF Suezが、洋上風力発電で10億ユーロを出資するコンソーシアムを作ることで
調印する動きを見せています。原発施設建設、ウラン供給、原発の運営、再処理、廃炉ビジネスまで世界最大規模の原発総合企業アレバも本格的に風力発電に参戦ということでしょうか。

 それとも環境問題に多角的に取り組んでいるポーズを見せるためなのか、はたまた原発ビジネスが数年間、低迷することを見込んだ代替ビジネスとして取り組んでいるのか、とにかく抜け目のない取り組みが透けて見えます。