Global_Risk_Management_company

 
グローバル化の中で、さまざまなリスクに直面し、その対処が迫られています。移民問題や宗教対立、テロ対策は緊急の課題です。日系企業も進出先の国で労働争議、為替リスク、さらにはクーデターなどカントリーリスクに襲われることも多い。

 今年は、多くの予想外なことが起きています。中国が政治的にも経済的にも不安定化する可能性がある。トランプ政権の打ち出す保護主義で、日系企業が危機的状況に追い込まれる可能性もある。

 北朝鮮問題がこじれて東アジア自体が不安定化する可能性もある。安定が望まれる欧州連合(EU)も域外に対しては、貿易で保護主義を強める可能性も議論されている。シリアで基盤を失ったイスラム国(IS)が世界中で大小なテロを展開する可能性もあります。 

  組織が危機に直面した時、最も重要なことは、リスク対応する指揮官が存在するかどうかです。グローバルリスクマネジメントにはリスクオーナーという言葉があります。

 リスクに最も近い管理者が、対応の先頭に立つべきという考え方です。暴動や労働争議、セクハラ事件が発生した時、往々にして日本企業は、日本本社に判断を委ねる傾向がある。ところが現場を分かっていない遠い日本からの支持は適切と言えないことも多い。

 それと意思決定のプロセスが、日本は非常に曖昧で責任が分散し、専門家まかせで、命令系統も忖度で動いたりしている。ところが危機が発生した場合は、集団で落とし所を探る暇などない。経験と知識、決断力を持った指揮官が必要。

 グローバル化が進む中、日本従来からの組織のマネジメント方法が機能不全に陥っている。この状態で危機に直面したらどうなるのか。指揮官になる人材を育てていくことが急がれますが、最近は日本という看板が信用を失い始めており、時間との戦いです。