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     ロワール川にあるシャトーホテル、ブーデジール城

 フランスを今年訪れる外国からの観光客数は、過去最高の8,800人が見込まれるとの予想が先月発表されました。フランスの外国人観光客数は長年、世界トップでテロの影響があったとはいえ、すでに回復しており、政府は1億人をめざし、さまざまな政策を打ち出しています。

 特に2028年のオリンピックのパリ開催が9月のIOC総会で公式決定される予定で、1億人の目標は達成できるとの観測が高まっています。日本が2020年の東京オリンピックまでに4,000万人を目標としているのに比べれば、半分の人口しかいないフランスの目標は非常に高いということになります。

 一方、外国から観光客がもたらす国際観光収入ランキングでは、フランスは2015年統計でスペインに次ぐ4位に甘んじ、トップのアメリカの2045.23億米ドルに対して459.20億米ドルと4分の1以下と少ないのも事実です。

 国土の広さや人口の多さからいえば、アメリカ、中国の観光収益が圧倒的に高いのは頷ける部分もありますが、中国は今年、外国からの観光客の減少で収益が減っていることが指摘されています。さらにスペインの方が長期ヴァカンスを過ごす外国人(英国人、ドイツ人、北欧人など)が圧倒的に多いという事情もあります。

 とはいえ、8,800万人が外国から観光に訪れる効果は経済面だけではなく、フランスの魅力を世界に知らしめる効果を生んでいることも見逃せません。この数年は政府もグルメに力を入れており、フランス料理を観光資源として活用する事に熱心です。

 しかし、日本人が東京オリンピックでも度々、強調されている「おもてなし」は、フランスとは無縁です。フランスを見る限り、おもてなしと観光立国に関連性はありません。

 世界最大のネット旅行代理店エクスペディアが世界の海外旅行経験者に対して行った調査では、サービス面でフランスはワースト1でした。つまり、最悪のおもてなしの国が世界最大の観光大国になっているという話です。

 無論、フランスの観光資源は圧倒的に充実しています。37にのぼるユネスコに登録されている世界遺産、世界最大規模のルーヴル美術館などの美術館、フランス料理、モード、宝飾品、香水、ワイン、チーズなど、これほどの世界的に知られた観光資源を持つ国はありません。

 まるで京都のように一元の客には冷たいフランスですが、それでも世界から人が押し寄せている。ヨーロッパを巡る多くのパックツアーでフランスを外すのは稀です。観光資源あっての観光ビジネスという基本を思い知らされるのがフランスです。

 テロがあろうと、治安が悪化しようと、サービスが最悪であろうと、とにかく一度は行くべきと思われている国は多くはないでしょう。それも観光名所はパリだけでなく、モンサンミッシェルを初め、多くの魅力溢れる地方の多様性もインパクトを与えています。

 最近では、高級キャンピング場も人気が高く、外国からのヴァカンスの長期滞在者が増えているそうです。無論、観光産業への依存度が高すぎることが国の新しいビジネスを生むことを阻害しているいう意見もありますが。