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 英ロンドン地下鉄で15日にテロが発生以降、最高度の「危機的」に引き上げられていたテロ警戒レベルが17日、一段階下の「重大」に戻されました。当局の捜査に進展があったことを受けての措置ですが、依然、新たなテロの脅威がある「重大」レベルということで、警戒が続いています。

 現地メディアの報道では、警察当局は17日、21歳の男を拘束したことを明らかにし、すでに拘束されている18歳の男と合わせ、同事件に関連して拘束者は2名になりました。

 今回、ロンドン西部ハウンズローで身柄を確保された男は、先に逮捕された18歳の男と関係があったと見られ、関連捜査を進めている模様ですが、詳細は発表されていません。

 一方、16日朝、英南部ドーバー港のフェリーの出発エリアで拘束された18歳の男は、フランスへの脱出を企てていたと見られます。

 この人物は、テロ捜査の一環として16日に家宅捜索を行ったハウンズロー南郊の住宅にいた難民だった可能性が高いとしています。その場所は難民の子供らの里親をしている夫婦が所有する住宅でした。

 朝のラッシュアワーに起きた今回の地下鉄車内での爆弾テロは、乗客ら30人の負傷を出し、過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を出しています。逮捕された2人の男は若く、もし犯人だったとすれば、非常に短期間に過激な聖戦主義に染まった可能性が高いことが分かります。

 近年、聖戦主義に染まる若者の間では、どれだけ注目度が高く、大規模なテロを実行するか、ISが背後で競わせている実情があります。当局は当然、テロ実行犯の背後にある支援組織の動きを捜査しているはずですが、実行犯は手柄を立てたい一心だったと言えます。