
激変する世界をどのように見るかは、ビジネスにおいても非常に重要です。信頼で成り立つビジネスの世界の背後には国があり、その国家の評価は投資を含め、大いに注目されるところです。米経済誌フォーブスが今年6月に発表した国の評価ランキングでは、日本は8位にランクインしました。
国の評判に関する年次調査『Country RepTrak』を2008年から毎年実施しているフォーブスは、各国の評判を数値化するため、今年も3月〜4月にかけてカナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、ロシア、英国、米国の主要8カ国5万8000人を対象に調査を実施。
ランキングの対象国は、国民総生産(GDP)が高く、主要8カ国での認知度が51%以上だった55カ国に絞り込まれています。多くのエコノミストが今日の不透明感が拡がる状況は、一言でいえば「信頼の危機」と指摘しており、投資家が最も嫌う状況が蔓延し、ビジネスリーダーたちを悩ませています。
不透明感や不安定な状態をもたらしているのは、たとえば北朝鮮や中国のアジアでの危険な行動、中東の不安定化など地政学的緊張や、ナショナリズムや民族主義の台頭、米トランプ政権がもたらす経済、軍事、外交の緊張などが考えられます。2018年版のCountry RepTrakでは、対象となる国々の評判が平均1ポイント下落しています。
興味深いのは、経済の安定性は国の評判を左右するはずなのに、経済大国といわれる国でトップ10に入ったのはカナダと日本の2カ国のみ。それもカナダは前年の1位から7位に転落し、日本は昨年の12位から8位に上昇しています。
興味深いのは、経済の安定性は国の評判を左右するはずなのに、経済大国といわれる国でトップ10に入ったのはカナダと日本の2カ国のみ。それもカナダは前年の1位から7位に転落し、日本は昨年の12位から8位に上昇しています。
アメリカは、オバマ政権末期に評価が下がり初め、トランプ政権誕生で過去最も低いポイントだったのが2018年は1・7ポイント上昇していますが、その順位は韓国(31位)より下の34位。アジア勢では10位以内は日本だけで、30位以内にシンガポール(20位)が入っているだけです。
ちなみに世界第2位の経済大国の中国は上昇しているとはいえ、44位のルーマニアと46位のベネズエラに挟まれた45位、ロシアは52位でした。
ちなみに世界第2位の経済大国の中国は上昇しているとはいえ、44位のルーマニアと46位のベネズエラに挟まれた45位、ロシアは52位でした。
国の評判をあげる主要因は、美しい景観、フレンドリーな国民性、倫理的な政策などで、加えて国民の幸福度が順位を押し上げる要因になっていると同調査は指摘しています。今回、1位から4位を占めたスウェーデン、フィンランド、スイス、ノルウェーは、国民一人当たりの名目GDPが日本より上の上位国です。
つまり、国の信頼度は経済規模ではなく、国民一人一人の満足度によるというわけです。地味でも持続可能な環境政策や福祉政策の充実を重視する北欧の国々はランキング上位の常連です。この数年はシリアやイラクからの大量難民受入れでもスウェーデンは評価を上げました。
その意味で経済規模ばかりをこれまで追求してきた日本が、10位内にランクインしたのは注目であり、評価すべきことでしょう。過重・長時間労働で評価を落としたように見えた日本ですが、その安定性と信頼感はビジネスにも好影響を与えそうです。
グローバル化が急速に進んだ反動で不安感が拡がり、多くの国々が内向きになり、その典型がアメリカが昨年から10位順位を下げたことです。ただ、Country RepTrakのレポートは人道主義リベラル派が掲げる理想論を根拠にしており、必ずしも実態を反映しているようには思えません。
たとえばその典型は性的マイノリティー(LGBTQ)を積極的に受け入れたスウェーデンを評価していますが、これには宗教上の賛否両論があるでしょう。それにスウェーデンの犯罪発生率の高さも見逃せません。
とはいえ、国家の信頼度は高いに越したことはなく、その意味では日本の好感度は評価するべきでしょう。日本は国の評判度の高さを支える安定感を前面に出して存在感を示すべきだと思います。
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たとえばその典型は性的マイノリティー(LGBTQ)を積極的に受け入れたスウェーデンを評価していますが、これには宗教上の賛否両論があるでしょう。それにスウェーデンの犯罪発生率の高さも見逃せません。
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