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  現在開催中のケ・ブランリー美術館の「空を裂く:日本の竹細工の技法」展(4月7日まで)

 昨年7月から始まった日仏交流160周年を記念するフランスでのイベント「ジャポニスム2018:響きあう魂」は、今年2月をもって終了し、70を超える公認イベントに300万人を超える人々が訪れ、成功を収めました。この時期、日本でもさまざまなイベントが開催されましたが、フランスの方が注目度が高かったのではと思います。

 日本が、これほど大規模な文化発信を、それも芸術に最もうるさいフランスで開催した意義は大きく、加えてフランスは昨年9,000万人を超える外国人観光客が訪れており、彼らもまた、今回のイベントを目にする機会があったことを考えると、世界への発信効果もあったと思われます。

 おりしも和食がフランスに完全に定着し、若者を中心に日本のアニメや漫画、サブカルチャーへの関心が過去最も高まりを見せていることが、今回の成功に寄与したといえます。発信力が弱いといわれる日本としては、フランス政府の理解もあって、インパクトのある日本の文化発信ができたと思います。

 パリ凱旋門にある19世紀のロスチャイルド館では、日本の伝統と現代を対比しながら日本の美意識を探求する「深みへ―日本の美意識を求めて―」展が開催され、奄美の画家、田中一村が紹介され、プチ・パレでは江戸時代の絵師、伊藤若冲の特別展、今年に入ってはパリ日本文化会館で藤田嗣治の展覧会が開催されました。

 また、ポンピドゥ・センターでは「安藤忠雄」展、ラ・ヴィレットで「チームラボ 境界のない世界」展、シネマテーク・フランセーズでは「日本映画の100年」展なども開催され、江戸、明治から現代まで日本文化を紹介するさまざまなイベントが開催されました。

 さらにパリの装飾芸術美術館やケ・ブランリージャック・シラク美術館では、日本の竹工芸が工芸品としてだけでなく、鑑賞用の彫刻のような芸術作品に発展した姿が紹介され、今まで家具として竹に親しんできたフランス人には、竹を素材とする迫力ある芸術作品は新鮮さをもって受け止めていました。

 今回のイベントの1つの柱は「響き合う魂」というタイトルにあるように、日仏文化交流史を紹介することにありました。両国の文化芸術が過去から現代まで、どのように影響し合い、新しい美の創造に繋がったが検証されました。

 実際に明治維新による開国とパリの19世紀の万博によるジャポニスムの拡がりに始まり、戦後の日仏映画交流、ファッションから建築、現代美術までの交流が紹介されています。

 実はフランスは芸術の国として敷居が高く、アメリカの画家、アンディ・ウォホールが1970年代、初のパリ個展を行った時、アメリカで非常に著名だったウォホールに、なぜもっと早くパリで個展をしなかったのかと聞かれ「自分がパリで個展を開催するなど想像もできなかった」と語っていました。

 そんなフランスと160年に渡り、文化交流が行われ、互いに刺激し合うことができたことに、大いに日本は自信を持つべきでしょう。日仏の文化交流は、異文化の多様性のシナジーを発揮した好例だといえます。

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