Cornwall beaches 2

 先進7カ国首脳会議(G7サミット)が今月開催されたばかりの英南西部コーンウォール地方で、新型コロナウイルスの新規感染が急拡大しているニュースが世界を巡っています。英政府はサミットとの因果関係を否定していますが、サミットを成功させたジョンソン英首相には逆風です。

 外国からの多数の政府関係者スタッフ、メディア関係者、いつもの過激な反グローバル、環境保護派などの活動家たちが会場周辺に集まったサミットが感染拡大をもたらしたという説を否定するのは現実的とはいえないとの見方も広まっています。つまり、サミットは大変な置き土産をしたことになります。

 まず、コーンウォールは夏のヴァカンスの英有数のリゾート地です。今回の感染拡大は大きなマイナスで、G7開催効果はなくなりました。G7がウイルスをまき散らす「スーパースプレッダー」との見方も強まっており、やっぱり今の段階で大規模な国際イベントは無理だったという意見も聞かれます。

 このことは、東京五輪・パラリンピックにも影響する話です。英国はワクチン接種が進んだ国といわれ、感染者数も急速に減少していましたが、今は若者を中心に再び感染懸念が高まっており、もろ手を挙げて安心・安全が拡がっているわけでない状況です。

 大規模な国際イベントには、大会関係者だけでなく、各国メディア関係者や、五輪なら観客が集まり、その移動や飲食も増えることが予想されます。

 英BBC放送は、コーンウォール地方における6月19日までの7日間の10万人あたりのコロナウイルス症例数はコーンウォールとシリー諸島で150と、その前の週を72例上回っており、症例数も増加率も他のイングランドを上回っています。この地方にとって昨年来の世界的流行拡大以降、初めての高い数字です。

 それも地元メディアによれば、サミット会場に近いセントアイブズでは13日までの1週間で感染が2450%増えたと伝えています。イングランドの田舎で日頃は人の密状態もあり得ず、今回もせいぜいワクチンを打ち終わった高齢者がヴァカンスに訪れていた程度でした。

 BBCは「過去1年半にわたって、コーンウォールの郡は、イングランド南西部の他の多くの地域と同様に、一貫して他地域より少ない症例数を記録していた」「コーンウォールの症例は15〜29歳の人々に集中している」「現状では、コーンウォールのワクチン摂取率は平均よりわずかに高い」と指摘し、事態は改善すると予想しています。

 さらにコーンウォール商工会議所のキム・コンチー氏の発言を紹介し「G7が影響を与えなかったと言うのは不誠実で、観光客の増加が引き起こしたというのも問題のすり替えだ」と非難する声があるといいます。結論的にはG7と感染拡大の因果関係は今のところ不明で、今後、住民の抗体検査を実施し、時系列の分析が進められているとしています。

 つまり、今の時点でコーンウォールのG7と東京五輪を結び付けて、開催取りやめを叫ぶのは無理があるといえそうです。無論、開催反対派は飛びつく話ですが、一つ言えることはワクチン効果が全てでないことは確かです。コロナウイルス侮るなかれということでしょう。

ブログ内関連記事
コロナパスポートEUで導入 東京五輪・パラで日本もグローバルなシステム開発急務
どうなる保健衛生上の安全保障 その場しのぎのコロナ対策ではwithコロナは生き抜けない
円卓の騎士伝説の地でG7 ヨーロッパで最も霊感溢れる地で首脳たちに最善の選択が期待される