CEVAの小さな研究所から夢が拡がる
フランス西部ブルターニュ地方の北部プルビアンになる藻類活用研究所(CEVA)を最初に取材に訪れたのは約25年前でした。当時はCEVAの研究成果である海藻の食用の安全性が認められ、藻類がフランスで食材として認められる段階に入った時期でした。
それが今では、農業原料(デンプン、油など)の代替の生物資源(バイオマス)として藻類を使用する持続可能な化学産業に貢献する長期目標を掲げて、新たな段階に入っています。無論、藻類原料の価格は依然としてバイオ燃料生産の観点から高すぎて、経済的に競争力がありませんが、さまざまな発展があるようです。
25年前、所長にインタビューした時、所長は設立当初の話をしてくれました。CEVAは1982年に海藻が同地域の暮らしに与える影響と食用になるかを研究する目的で設置され、当時、日本、中国、韓国で海藻は食生活に根付いていたことから、給料が安くで済む韓国人研究者を5人ほど雇って研究を開始したそうです。
東アジアの食文化に定着する海藻が果たして安全な食材なのかを、わざわざ研究所を作って検証しようとしたわけです。結果、約10年間の研究で、当地で生息する約200種類の藻類の中のワカメや昆布など数種類が安全な食材と確認され、産業としては養殖も推進されるようになり、今では約3万トンが養殖されているそうです。
フランスの魚介類の60%を供給しているブルターニュ地方ですが、フランスでは、それまでは大量に海辺に打ち上げられる海藻を集めて乾燥させ、暖炉の熱源として使われたり、溶かして靴底にしたりしていました。
CEVAの貢献で今ではアジア系食品店だけでなく、有機食料品としてワカメなどがスーパーで売られ、ポピュラーとは言えませんが、サラダのレシピーにもなっています。
その後の展開は、養殖システムの大規模化、特に効率的な藻類処理プロセスと酵素の開発に貢献しています。これらの開発プロセスは、藻類ベースの製品の価値を高めるセクターに適用されています。
CEVAは、さまざまな産業分野と協力し、藻類ベースのバイオマス活用に取り組んでおり、たとえば塗料に海藻を適用する研究、化粧品への転用など、化石資源の代替え利用をめざしているそうです。つまり、海の資源を産業パートナーと協力し、持続可能で収益性の高いセクターに育て上げているといえます。
これは資源採取―原料生産―製品生産―流通・消費―廃棄・リサイクルというライフサイクルアセスメント(LCA)をべースに置いており、ブルターニュならではの研究開発といえるでしょう。CEVAは、藻類のバイオリファイナリーに特化した他の欧州のプロジェクトとも連携しているそうです。
最初は食用が可能かどうかの検証で始まった同研究所の研究は、海藻食品化の長い歴史を持つ日系企業も参加して大きな発展を遂げているようです。ただ、ビジネスと結びついていることで、生態系を壊さないよう慎重な取り組みが必要なのも確かといえます。
気候変動が深刻化する中、環境重視の産業の発展は今や急務とのいえるもので、いい意味で研究にしのぎを削ってほしいものです。
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フランス西部ブルターニュ地方の北部プルビアンになる藻類活用研究所(CEVA)を最初に取材に訪れたのは約25年前でした。当時はCEVAの研究成果である海藻の食用の安全性が認められ、藻類がフランスで食材として認められる段階に入った時期でした。
それが今では、農業原料(デンプン、油など)の代替の生物資源(バイオマス)として藻類を使用する持続可能な化学産業に貢献する長期目標を掲げて、新たな段階に入っています。無論、藻類原料の価格は依然としてバイオ燃料生産の観点から高すぎて、経済的に競争力がありませんが、さまざまな発展があるようです。
25年前、所長にインタビューした時、所長は設立当初の話をしてくれました。CEVAは1982年に海藻が同地域の暮らしに与える影響と食用になるかを研究する目的で設置され、当時、日本、中国、韓国で海藻は食生活に根付いていたことから、給料が安くで済む韓国人研究者を5人ほど雇って研究を開始したそうです。
東アジアの食文化に定着する海藻が果たして安全な食材なのかを、わざわざ研究所を作って検証しようとしたわけです。結果、約10年間の研究で、当地で生息する約200種類の藻類の中のワカメや昆布など数種類が安全な食材と確認され、産業としては養殖も推進されるようになり、今では約3万トンが養殖されているそうです。
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これは資源採取―原料生産―製品生産―流通・消費―廃棄・リサイクルというライフサイクルアセスメント(LCA)をべースに置いており、ブルターニュならではの研究開発といえるでしょう。CEVAは、藻類のバイオリファイナリーに特化した他の欧州のプロジェクトとも連携しているそうです。
最初は食用が可能かどうかの検証で始まった同研究所の研究は、海藻食品化の長い歴史を持つ日系企業も参加して大きな発展を遂げているようです。ただ、ビジネスと結びついていることで、生態系を壊さないよう慎重な取り組みが必要なのも確かといえます。
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