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 ドイツで今月4日、新型コロナウイルスの新規感染者数が3万3,949人と驚くべき数字を記録しました。これは昨年12月に記録した過去最多を更新するものです。原因は明確になっていませんが、ワクチン接種がフランスやイタリアに比べ、頭打ちなのが指摘されています。

 シュパーン独保健相は、ワクチン未接種者の間で感染が拡大しているとして、これらの人々を対象とした規制強化を呼び掛けています。これまではワクチン未接種さに対して厳しい対策措置を取ろうとすると「差別だ」と抗議デモが起きていましたが、今度は接種者の方から「接種した人間を優遇するのは当然だ」などの意見も聞こえています。

 シュパーン保健相は「ドイツでは感染第4波がフルスピードで進行している」ことを認め、危機感を募らせています。今後は、ワクチン接種の追加接種の対象者の絞り込みや接種場所の拡大、さらに11月25日に終了予定の非常事態宣言をどうするかが焦点です。

 国立ロベルト・コッホ研究所によると、国内のワクチン接種完了者の割合は5日時点で全人口の69.6%と、フランスの78%、ポルトガルやスペインの80%超を大幅に下回っています。ドイツ集中治療・救急医学協会(DIVI)によると、集中治療室(ICU)の患者数は2,226人と前週から26%増加し、その大半がワクチン未接種者だということです。

 一方、フランス政府は5日、マクロン大統領が今月9日に国民に向けて新型コロナウイルス感染症の再拡大および経済改革プログラムについて演説することを明らかにしました。フランスは感染拡大が抑えられているとして厳しい感染対策は解除されていますが、11月に入り、1日平均の新規感染者数が6,225人と上昇に転じ、11月3日には1万人を超えました。

 一方、死者数は7月以降、8月23日の1日の死者数が223人とピークに達して以降、減少が続き、2桁台を続けていますが、重症化する患者の増加による医療体制のひっ迫への懸念は消えていません。

 フランスでは新型コロナウイルスのワクチン接種か48時間以内の陰性結果を証明する「衛生パス」の適用を7月末までに延長する方針を示しています。マクロン大統領が経済回復や改革プログラム、コロナ感染の現状について国民に向かって演説するのは7月12日以来となります。

 アタル報道官は「ヨーロッパが再び流行の震源地になっている」と述べ、健康危機が迫っていることを強調し、「フランスでも、現時点でわずかな再拡大が見られる」として、マクロン大統領が詳しい現状について報告するとしています。

 マクロン政権にとっては、来春の大統領選を控え、再選をめざすマクロン氏にとっては正念場を迎えています。ドイツやイタリアなどの周辺国でも感染拡大が認められる中、3回目接種も進める構えです。10月15日以降、ワクチン未接種で医師の処方箋を持たない成人のPCR検査と抗原検査は有料となっています。

 一方、イタリアでは10月15日より、健康パス提示が全労働者に義務付けられました。10月16日に1日の新規感染者数が2,982人だったイタリアでは11月5日時点で6,761人と増加傾向にあります。イタリアもフランス同様、ワクチン2回接種者は70%を超えており、すでに健康パスの「グリーンパス」は日常生活に普及しています。

 最も懸念されるのは、現在普及しているワクチンで対処できない強力なコロナ変異ウイルスが出現することです。そうならないことを祈るのみです。

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