この写真の真偽は分からない
これまで汚れ仕事を請け負ってきたロシアのワグネルを率いるプリゴジン氏の生存の有無が注目を集めています。アフリカで依然、存在感を強めるワグネルは、アフリカへの影響力を強化を模索するプーチン露大統領にとっては、使い勝手のよい民間軍事組織に見えます。
ロシア・サンクトペテルブルクで撮影されたと見られるワグネルのトップ、プリゴジン氏の写真がSNS上に公開されました。写真は中央アフリカにあるロシア外務省管轄のロシア文化センターの所長がSNSに公開したもので、ロシア・アフリカサミットの出席者とみられる人物とプリゴジン氏が笑顔で握手しています。
プリゴジン氏は、ワグネルの軍を率いてモスクワに向かい、軍幹部の更迭を迫ろうとして失敗した後、その行方は分かっていません。元KGBのエージェントだった人物は「プーチンは自分に反旗を翻した人物を許すことは決してない。時期を見て処刑するのは確実だ」と指摘しています。
すでにベラルーシで拷問を受けたとの見方もあり、プリゴジン氏しか知らない隠し口座のパスワードさえ聞き出せれば処刑するとも見られています。プリゴジン氏はプーチンに直接反旗を翻したわけではない一方、世界に配信された彼が軍を率いてモスクワに向かった絵柄は、プーチンの逆鱗に触れたのは確かでしょう。
大方の見方はワグネルはロシア軍支配下で存続させ、プリゴジン氏は取り除くというものですが、プリゴジン氏が創設したワグネルは、簡単に誰かが引き継げるような組織には見えません。戦争するには絶対的なリーダーシップを持つ司令官が必要で、特に民間となるとヒーローなしの運営は不可能にも見えます。
ところでSNS時代に流される情報の真偽は、意図的なものが多く、映像だけではそれがリアルなのかフェイクなのか何も分かりません。
もし、意図的にプリゴジン氏の生存が利用されたとすれば、今回はアフリカに強いパイプを持つプリゴジン氏がプーチンのために重要な役割を依然、担っていることアピールし、アフリカの指導者を安心させたい意図があるのかも知れません。
というのもアフリカは個人の人間関係を動く国がほとんどで、ワグネルに助けられている国の指導者はプリゴジン氏との個人的信頼関係で受け入れている可能性が高いからです。
タスク重視の先進国なら担当者の変更は容易ですが、人間関係優先の新興国、途上国では特定の人物の信頼がすべてを支配しているのがごく普通です。そのためビジネスの世界でも容易に担当者を変えられず、駐在が長期化するのが常です。
実は世界は今、傭兵を含め、汚れ仕事で確実に成果を出すプロの民間組織はニーズが高まっています。表向きの外交交渉では何もならなくても裏で交渉を進め、国際法も無視して物事を有利に進める権威主義の国は力を増しています。
理由は、そもそも領土拡大のために力による国境の現状変更を違法とする国際法は、西側先進国、特にアメリカが勝手に作ったルールと考えている国は少なくありません。特に世界の警察官だったアメリカがその役割を返上すれば、法があっても取り締まる警察官はいない状態と同じです。
最初から取り締まりさえなければ、国際ルールを認めないロシアや中国、イラン、北朝鮮は民間軍事会社の手を借りてでも国力増強に動くのは理屈にかなった行動です。
本来、ルールを決めてルールを守らせるのは国連安全保障理事会の役割ですが、その5か国のうち中露2か国が、そのルールさえ信じていないのが現状で、国連が機能するはずもありません。中露、イラン、北朝鮮は、国際法自体は西洋先進国が自分たちの既得権益を守る目的で維持していると主張しているのが世界のリアリティです。
その彼らがインドやアフリカなどのグローバルサウスを巻き込んで国連でルール変更を画策している現状に対して、今、自由と民主主義、法治国家を価値観とする陣営は、弱い立場に立っています。
そんな中、そもそも権威主義、専制主義の国々が利用してきた情報操作による扇動行為は、彼らが最も慣れた手法で、SNS時代に勢いを増しています。共産主義は印刷機の発達で革命を起こしたわけですが、今はSNSが印刷機に代わる武器です。
そこに渦巻く憎悪を背景としたフェイクニュース、作り話は、人々を地獄に導く偽善に満ちた恐ろしい扇動行為といえます。今は現場に行かずにわかったようなことをいう専門家が増える一方で、2次情報、3次情報でネットは埋め尽くされ、一般人も分かったような気になっています。
果たして人は、流される情報の真偽をかぎ分け、扇動の影響を受けずに正しく物事を把握することはできるのでしょうか。一つのヒントは不誠実なフェイクニュースを流す側の奥深くに隠されたネガティブな情念をどう見極めるかだと思います。
これまで汚れ仕事を請け負ってきたロシアのワグネルを率いるプリゴジン氏の生存の有無が注目を集めています。アフリカで依然、存在感を強めるワグネルは、アフリカへの影響力を強化を模索するプーチン露大統領にとっては、使い勝手のよい民間軍事組織に見えます。
ロシア・サンクトペテルブルクで撮影されたと見られるワグネルのトップ、プリゴジン氏の写真がSNS上に公開されました。写真は中央アフリカにあるロシア外務省管轄のロシア文化センターの所長がSNSに公開したもので、ロシア・アフリカサミットの出席者とみられる人物とプリゴジン氏が笑顔で握手しています。
プリゴジン氏は、ワグネルの軍を率いてモスクワに向かい、軍幹部の更迭を迫ろうとして失敗した後、その行方は分かっていません。元KGBのエージェントだった人物は「プーチンは自分に反旗を翻した人物を許すことは決してない。時期を見て処刑するのは確実だ」と指摘しています。
すでにベラルーシで拷問を受けたとの見方もあり、プリゴジン氏しか知らない隠し口座のパスワードさえ聞き出せれば処刑するとも見られています。プリゴジン氏はプーチンに直接反旗を翻したわけではない一方、世界に配信された彼が軍を率いてモスクワに向かった絵柄は、プーチンの逆鱗に触れたのは確かでしょう。
大方の見方はワグネルはロシア軍支配下で存続させ、プリゴジン氏は取り除くというものですが、プリゴジン氏が創設したワグネルは、簡単に誰かが引き継げるような組織には見えません。戦争するには絶対的なリーダーシップを持つ司令官が必要で、特に民間となるとヒーローなしの運営は不可能にも見えます。
ところでSNS時代に流される情報の真偽は、意図的なものが多く、映像だけではそれがリアルなのかフェイクなのか何も分かりません。
もし、意図的にプリゴジン氏の生存が利用されたとすれば、今回はアフリカに強いパイプを持つプリゴジン氏がプーチンのために重要な役割を依然、担っていることアピールし、アフリカの指導者を安心させたい意図があるのかも知れません。
というのもアフリカは個人の人間関係を動く国がほとんどで、ワグネルに助けられている国の指導者はプリゴジン氏との個人的信頼関係で受け入れている可能性が高いからです。
タスク重視の先進国なら担当者の変更は容易ですが、人間関係優先の新興国、途上国では特定の人物の信頼がすべてを支配しているのがごく普通です。そのためビジネスの世界でも容易に担当者を変えられず、駐在が長期化するのが常です。
実は世界は今、傭兵を含め、汚れ仕事で確実に成果を出すプロの民間組織はニーズが高まっています。表向きの外交交渉では何もならなくても裏で交渉を進め、国際法も無視して物事を有利に進める権威主義の国は力を増しています。
理由は、そもそも領土拡大のために力による国境の現状変更を違法とする国際法は、西側先進国、特にアメリカが勝手に作ったルールと考えている国は少なくありません。特に世界の警察官だったアメリカがその役割を返上すれば、法があっても取り締まる警察官はいない状態と同じです。
最初から取り締まりさえなければ、国際ルールを認めないロシアや中国、イラン、北朝鮮は民間軍事会社の手を借りてでも国力増強に動くのは理屈にかなった行動です。
本来、ルールを決めてルールを守らせるのは国連安全保障理事会の役割ですが、その5か国のうち中露2か国が、そのルールさえ信じていないのが現状で、国連が機能するはずもありません。中露、イラン、北朝鮮は、国際法自体は西洋先進国が自分たちの既得権益を守る目的で維持していると主張しているのが世界のリアリティです。
その彼らがインドやアフリカなどのグローバルサウスを巻き込んで国連でルール変更を画策している現状に対して、今、自由と民主主義、法治国家を価値観とする陣営は、弱い立場に立っています。
そんな中、そもそも権威主義、専制主義の国々が利用してきた情報操作による扇動行為は、彼らが最も慣れた手法で、SNS時代に勢いを増しています。共産主義は印刷機の発達で革命を起こしたわけですが、今はSNSが印刷機に代わる武器です。
そこに渦巻く憎悪を背景としたフェイクニュース、作り話は、人々を地獄に導く偽善に満ちた恐ろしい扇動行為といえます。今は現場に行かずにわかったようなことをいう専門家が増える一方で、2次情報、3次情報でネットは埋め尽くされ、一般人も分かったような気になっています。
果たして人は、流される情報の真偽をかぎ分け、扇動の影響を受けずに正しく物事を把握することはできるのでしょうか。一つのヒントは不誠実なフェイクニュースを流す側の奥深くに隠されたネガティブな情念をどう見極めるかだと思います。
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