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 米NBCは、米国の有識者たちがロシアのセルゲイ・ラブロフ外相らと非公式に秘密協議を重ねていたことを報じました。参加者の1人は「ロシアがクリミア半島を失うかもしれないと思えば、戦術核兵器を使うのは、ほとんど確実だ」とも語ったとしています。

 この競技に参加したのは、米側が著名シンクタンク、外交問題評議会(CFR)の前会長、リチャード・ハース氏や、ジョージタウン大学のチャールズ・カプラン教授など元政府高官、ロシア側はラブロフ外相と大学、シンクタンク関係者たちだったとしています。

 参加者のアメリカ人の1人は、ロシアの政治エリート層の中にはウクライナ軍事侵攻は「完全に間違いだった」という者もいることを認めた上で、「だが、いま戦争の渦中にある。彼らの選択肢に屈辱的敗北はありえない」ことが強調されたとしています。

 さらに。ロシアに恥をかかせたり、崩壊させるほど孤立化、弱体化させれば、交渉の道はほとんどなくなる。われわれは(ロシアの)周辺地域を安定させるために、強力なロシアが必要だ」との認識を示したと伝え、結果的に核使用の選択肢は十分ありうることを確認したとしています。

 核兵器保有には国防上の最強の抑止ツールという側面と、相手を脅迫する最強のツールという2つの側面があります。使用されれば甚大な被害は避けられず、西側は結果として核は使われることはないとの認識ですが、ロシアは窮地に追い込む者は最終的に核攻撃の対象となるという考えです。

 プーチン大統領は侵攻開始当初から、西側諸国に対し、西側によるウクライナ支援に関連したエスカレーションの危険性に対して警告するつもりでした。2022年2月24日、彼は「誰が我々の邪魔をしようとも、あるいは強硬に我が国と我が国国民に脅威を与えようとも、ロシアは即座に反応し、その結果は誰も見たこともない結果をもたらすだろう」と宣言しました。

 さらに「事態がどのように展開しようとも、私たちには準備ができている」と数週間後に明言して以来、暗黙の核兵器使用の脅威と西側は解釈しました。「ロシアにとって戦略的に受け入れられない脅威を作り出し、外部から干渉しようとする者は誰でも、我々の考えを知るべき」として、報復攻撃は電光石火の速さで行われるだろうと表明しました。

 これらの発言を分析する西側は言葉による脅迫であって、本意ではないとしていますが、そうではない可能性は高まっています。特にプーチン氏の指導力に疑問符が示される昨今、戦術的核兵器使用は国民向けに強いインパクトを与えています。

 日本では広島、長崎への原爆投下体験から何を学ぶかを話し合う最も注目度の高いテーマですが、世界は今、核戦争の崖っぷちに立っていることは否定できない状況です。