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 バイデン大統領の次男のハンター・バイデン氏は、故意に所得税を支払わなかった2件の連邦法違反の罪について認めることで司法省と合意した。一方、薬物の使用を申告せずに銃を購入して不法に所持していたことについては刑事訴追され、起訴された。

 さらにハンター氏は、外国企業から多額の報酬を得ていたとされる問題で、ハンター氏が中国のビジネス相手に対して父親の後ろ盾をほのめかして恫喝(どうかつ)する内容のメッセージを送った利益相反の疑惑も、バイデン氏を追い込む要素となっている。

 マッカーシー米下院議長は12日、共和党がジョー・バイデン大統領の弾劾訴追に向けた調査を開始すると発表し、「職権乱用や捜査妨害、汚職の疑いがある」と述べた。

 大統領の弾劾といえば、トランプ前大統領もウクライナの大統領との電話会談を巡り、2019年、民主党が当時のトランプ大統領を弾劾訴追した経緯がある。トランプ氏は現在、起訴されており、前回の大統領選直後の連邦議事堂襲撃事件を扇動したかどうかの罪状を含め、裁判を待っている。

 その裁判は共和党指名争いが始まる時期と重なる。民主党にとっては好都合だが、肝心のバイデン氏も弾劾裁判になる可能性がある。共和党だけでなく、民主党もバイデン氏を候補者に選ぶにはマイナス要素が少なくない。

 二人は高齢であり、長く生きれば、たたけば埃が出るのは常という意味では、クリーンとはいえないだろう。もっと深刻なのは、アメリカ政治が2人の疑惑まみれの高齢者に頼らざるを得ない現実だ。若い国と高齢大統領の構図は、信念重視の国の新しい現象といえるかもしれない。

 米メディアは、この2人の高齢政治家の動向を追うことに追われ、国外に他の有力大統領候補や新人候補の話は聞こえてこない。アメリカを取り巻くカオスのような状況に正しく対処できる実力を持つ政治家が見当たらないとすると、時代遅れの専制主義の国々が覇権争いをさらに激化させることは目に見えている。

 簡単にアメリカの衰退と分析するのは安直すぎると思うが、はっきりしていることはアメリカ追随の歴史は終えんを迎え、それぞれの主権独立国家が自立した外交を展開する時代に入っていることも事実。

 周囲を見ながらバランスを取ることが得意な日本は、東西冷戦終結以降、自律外交という不得意な課題を突き付けられている。主体的アジア太平洋外交を展開していた安倍元首相を失った現在、アメリカの顔色ばかりを窺う時代は終わっており、明確なヴィジョンと強い信念が求められている。

 歴史の古い日本はアメリカと違い、高齢者に頼る必要はないのに、未だに老練な政治家が先輩風を吹かせているのが心配だ。政治が政策ではなく、人間関係の力学だけでしか動かない悪習を、ぜひ一掃してほしいものだ。