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◀フランスでは夏と冬の2回、決められた時期にバーゲンセール(SOLDES)を条例で実施している

 

  一年を通して温暖な気候で知られる地中海に面した南フランスまでが寒波に襲われています。マルセイユの街並みが雪に覆われるのも珍しく、凍りついて滑りやすくなった路面で転んだり、車がスリップしたりする事故も起きているようです。

 

  日中が零下という寒さは、観光客にとっても厳しいものがありますが、冬のバーゲンセール期間に突入しているフランスでは、そんな寒さなどものともせず、日本からの観光客の足が途絶えることはありません。特に今年は円高も手伝って、日本人にとっては大変魅力的です。

 

  バーゲンセールで思い当たるのは、日本のバーゲンセールとの違いです。フランスやドイツなどでは、国中で一斉に行うバーゲン期間に、バーゲン専用商品を売ることが禁じられています。つまり、日頃、店頭に展示している商品を値引きして売るというルールです。

 

  そのため、セールが始まる数日前から、消費者が商品の品定めを初め、買いたい商品にあらかじめ目をつけておいて、セール初日に一目散に、その商品めがけて買い物に行くというスタイルが一般化しています。バーゲンの時だけ、こっそり安い劣悪商品を並べ、5割引の正札を付けて売ることは許されません。

 

  今年は寒波の中でのセールなので、防寒着が売れる可能性は高いのではないかと言われています。セール後半には7割引などという叩き売りも行われますが、売れ残り商品でもあるわけです。景気後退で消費意欲は落ちていますが、じっと値下がりを待つ人も増える可能性もあります。

 

  寒波で懐も寒く、今年を象徴するような年の始まりです。イスラエル情勢の悪化で、欧州最大のユダヤ人とアラブ人を抱えるフランスでは、社会不安も懸念されます。