昨春にフランスの大統領に就任したサルコジ氏は、贅沢なバカンス、離婚と再婚、公務員の年金の既得権益の剥奪などで昨年秋以降、支持率が急落していました。それがどうやら、少し持ち直しているようです。
仏世論調査会社TNS-Sofres-Logicaがル・フィガロ・マガジンのために起こった最新の世論調査では、サルコジ大統領の支持率は3ポイント上昇し、39%という数字でした。
サルコジ大統領は、今年下半期の欧州連合(EU)議長国がフランスということもあって、グルジア紛争の調停で走り回り、最近では米国発の金融危機への対処で積極的に行動しています。11月のサミットはサルコジ氏がブッシュ米大統領を説得したとされています。
金融危機への対処では、公的資金投入でEU内でも先陣を切っていますし、EUでの指導力を発揮しています。内政よりは外交に力点が置かれるフランスの大統領職にとって、活躍の舞台は多いと言えます。
一方、同大統領より高い支持率を保つフィヨン仏首相は、44%で9月より4ポイント支持率を下げています。国内では不況の影響で、自動車メーカーなど大手製造業の生産ラインが止まり、人員削減などが進んでいることも影響しているのでしょう。
今月は、サルコジ大統領の国民に対する暴言などが体に書かれた「呪いの人形」が発売され、大統領が販売差し止めの裁判を起こし、パリ大審裁判所は訴えを却下、現在控訴中です。その一方で、同大統領の大胆な改革路線を支持する声も4割を超えています。